コラム

F1 スペインGPを終えて

F1スペインGP終わりました。

いつも思いますが、長めのホームストレートとそれに続く中高速コーナーがあり、抜きつ抜かれつ手に汗を握るレースが展開されるいいコースでしたね。今年で見納めらしいです。来年からはストリートコースになるそうで。

 

今年の話題は何といってもレッドブルだったでしょうか。ついに角田くんが予選最下位に沈み、「快適に走れてるのに何で遅いかわからない」と言い出しました。今年の最初の2戦をレッドブルで走ったローソン選手のコメントを彷彿とさせるヤバいコメントでしたね。その後ウイングに問題があったことがわかり決勝ではなかなかいいレースを展開して13位まで順位を上げて終わりました。

ローソン選手がやばかったところは、上位に食い込む走りを見せるフェルスタッペン選手と比較してどうしようもなく遅かったというところであったと思います。レーシングスピードでの追い抜きもあまり見られず、レース中のタイムもあまりよくない状態であったため、交代に至りました。

今回の角田くんは予選では全くいいところがなかったものの、レース中は一瞬でしたがファステストラップを刻むなど(それでもフェルスタッペン選手よりは遅かったけど)、そこまでひどい走りではなかったように思います。

次戦の走りに期待したいと思いますが、そろそろ角田くんのタイムリミットも近づいてきているように思います。この状態であれば次の候補がいるのであれば交代になってしまうでしょう。そもそもイモラで激しいクラッシュでフロアを全損してしまったのが痛かったですね。新しいフロアが準備できた時に、それでどんな走りを見せられるか。それ次第で今後の状況は大きく変わっていくように思います。

 

 

それよりも!今回の悪い意味での主役はフェルスタッペン選手でしたね。最後なんでハードタイヤ履いたんだろう。。。チームの無線は自分たちが取れる唯一の選択肢がこれだったんだよと言っていましたが、motorsports.com編集長の田中さん情報(DAZNより)では、まだ3周しか走ってないソフトタイヤが1セット残っていたという話でした。そちらを使って最後のギャンブルに挑めばよかったのにと思わざるを得ません。温めに失敗したハードタイヤでレース再開時の最終コーナーでズルっと滑ってルクレール選手の先行を許してしまったばかりか、インに入られたラッセル選手によってアウト側にはじき出されてしまい、そこでアドバンテージを得たとしてそのまま走り続けた場合ペナルティを受けるという流れになってしまいました。

チームからの無線で、ラッセル選手にポジションを譲るように指示されたフェルスタッペン選手は、納得がいかずいろいろな気持ちのせめぎあいの結果、譲りかけたもののやっぱり譲らないというような動きでラッセル選手の側面に軽く衝突するような形になってしまいました。最終的にはラッセル選手にポジションを譲ったものの、この時の訳が分からない動きが原因で10秒ペナルティを喰らってしまい、5位でゴールしたものの最終的に10位まで落ちてしまいました。

 

フェルスタッペン選手からしてみたら、もしかしたら優勝できるかも?という状況から、ハードタイヤを履いたことでどんどんポジションを落としてしまったことについて納得がいかなかった部分もあるのでしょう、これでペナルティポイントをもらってしまい、あと1ポイントで出場停止処分が下るところまで来てしまいました。

4度のワールドチャンピオンを獲得したとはいえ、まだまだ20代。若さがさく裂しているなと思ってしまいました。変なタイヤを履かせたチームに対しても(なぜハードタイヤしか選べない状況だったのかは現時点でまだ判明しておらず)納得がいかなかった部分もあるでしょうし、マクラーレンにこれから対抗だ!(厳しそうだったけども)というところから一気に2つもポジションを失ってしまった怒りというのもあったのでしょう。パレードラップもさっさと一人だけ走り切ってとっとと帰って行ってしまいました。4度のワールドチャンピオンを獲得しているとはいえ、いや、そのような人間だからこそ、F1の世界でトップに立ち続けているのだなと思わされるようなエピソードでした。

角田くんもそんな立場になれるように頑張ってほしいなぁ。

 

これまでのチャンピオンたちもいろいろと面白いエピソードがあります。マンセル、セナ、シューマッハ、ハミルトン。

昨日のレースでもハミルトンは明らかにペースがあったルクレールを3周ほど邪魔しまくった結果、彼らの前にいたマクラーレンとフェルスタッペンに置いて行かれて挑戦権を失った(最終的にはセーフティーカーとレッドブルの失敗で回復したけども)ことがありました。

シューマッハがビルヌーブにわざとぶつかってそのシーズンのすべてのポイントを失ったこともありました。あれはどこだったか、1997年、ビルヌーブはそのまま走り切り、シューマッハはリタイアしてビルヌーブが年間チャンピオンに輝いたのでした。シューマッハはもう1個やってます。1994年オーストラリアGP(アデレード)でドライブミスによりウォールにヒットしたシューマッハは後ろから猛追してきたデーモンヒルに(おそらくわざと)ぶつけてワールドチャンピオンになったのでした。

 

セナやマンセルはぶっちぎりのレースでいいところを見せようとしてリタイアしたことがあります。

 

F1の魅力とは何か?速さを競う中でにじみ出てくるドライバー一人一人の人間性が人を引き付けていくのかもしれないなと思ったレースでした。

もちろん、あのスピードの中でわざとぶつけるという行為は許されるべきものではないし、今後はこういうことはないように、フェルスタッペンの精神的な成長を願いたいです。

 

どんどん面白くなっていってるF1、マクラーレンの独走というストーリーは面白くないので、これからフェルスタッペンやフェラーリ、メルセデス、そして角田くんの奮起を期待して応援していきたいと思います。

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