コラム

インフルエンザワクチン打ちました

昨日夜はまだ暑いかなということで、エアコンをつけたまま寝てましたが、朝起きて窓を開けると、外の空気の冷たさにびっくりしました。

皆さま、風邪をひかないようにお気を付けください。

 

今朝いろいろあって、インフルエンザワクチンを打ちました。当院で2人目です。痛くなかった!うれしかったです。ほんと注射打たれるのは苦手なんです。打つのは大丈夫なんですけど。

子どもたちの気持ちがよくわかります。スタッフからは顔がすごいことになってると言われましたが、全く痛くなかったので、終わったことに気づかずずっと渋い顔のままでしたので、ちょっと顔が筋肉痛です。

 

インフルエンザワクチンは、基本的には感染を予防する効果もありますが、これは年によって異なります。

ワクチンに入っているインフルエンザの株で変わってくるのです。あまり効果がないとされる年でもだいたい30%くらいの感染予防効果があるようです。

 

感染予防効果を左右するものは何か?それはワクチンの株です。

今年の注射のインフルエンザの型はこちらになります。厚労省が検討会議を開き、WHOの株選定を参考に、A型、B型それぞれ2株ずつ、計4株の抗原が入ったものになります。

今年から2歳~18歳のお子さんが打てる経鼻生ワクチン(まだ発売開始前)は注射のワクチンと型が異なります。

これは、経鼻生ワクチンが輸入されるものであるため、厚労省が型決定に関与できないからです。

WHOが選定した、3つの型(A型2つ、B型1つ)のウイルスが入っています。

あれ?B型が1個減ってるやんけ?って話ですが、僕の記憶が確かならば、B型の山形株というのがコロナ禍を経て消滅したからという理由で削除されたという話だったと思います。添付文書を確認しても、B型山形株が入っていません。

 

ワクチンの株が流行した株と同じだった場合、感染予防効果は高まると言われています。ぴったり合致すると70%くらい効果があると言われていますが、実際に診療しててそんなに効果があったのかなぁ?と思うことは少なくありません。ただ、統計を取ってみるとはっきりデータは出るようで、最終的なデータを見て、その効果にワクチンってすごいなと思うこともしばしばです。

今年の注射の不活化ワクチンと経鼻生ワクチンでは株が異なりますので、どちらかが絶大な感染予防効果を発揮し、もう一方はさほどでもないということになる可能性はあります。どちらがいいとは現時点では言えません。

もし、自分が経鼻ワクチンを打てる年齢だったら、間違いなく経鼻ワクチンを選択します。注射は痛いので。

 

どちらを打つかについては、値段もかかわってきますね。小学生までは、注射のインフルエンザワクチンは2回打つことを推奨されています。長崎市内では未就学児は1回1750円で接種できますので、未就学児のワクチンは2回で3500円です。経鼻生ワクチンは8000~1万円程度ですので、5000円前後高くなることになります。ただ、小学生ですと2回で8000円前後しますからそこまで負担は変わらないことになります。病院に行く回数も1回で済むので、経鼻生ワクチンのほうが病院に通う回数も減るしいいかもしれません。迷いますね。

 

経鼻生ワクチンは生きたウイルスを鼻の中に接種するので、それが原因でインフルエンザにかかってしまうリスクもあります(すごい少ないみたいですが)。インタビューフォームを見ると、「低温馴化(低温で効率良く増殖する)、温度感受性(B 型株は 37℃、A 型株は 39℃で増殖しにくくなる)及び弱毒化(ヒトのインフルエンザ発症モデルであるフェレットでインフルエンザ様症状を引き起こさない)の 3 つの特徴を有するリアソータントウイルス株」との記載があります。インフルエンザウイルスのうち、明らかに弱毒化しててヒトの免疫で容易にやっつけることができる弱いものを選択しているということになります。ということは、接種された側のヒトが弱ってる場合などは生ワクチンである経鼻ワクチンを打ってインフルエンザにかかってしまう可能性もあります。元気な時に打つというイメージでしょうか。そのため、喘息と診断されている人や、免疫抑制状態にある方、免疫抑制状態にある方との接触がある方については接種を避けたほうが良いとされています。

 

いろいろと思いつくままに書いてきましたが、インフルエンザワクチンについては、まだまだ迷うところも少なくありません。コロナ禍を経てインフルエンザウイルスがどのように変化していくかもまだまだ予測がつきません。

新型インフルエンザが流行した2009年は、その後季節性インフルエンザが通常通り流行するようになるまでに2年ほどの期間を要しました。今はまだコロナ禍が終わったばかりであり、これからも季節性インフルエンザがこれまでのように流行するかはわかりません。

もちろん、現時点で都会のほうではインフルエンザは流行の兆しを見せており、当院の近隣のクリニックでもインフルエンザ陽性例の報告があったようですので、今年もこれからインフルエンザが流行する可能性は高いです。ワクチン接種で自分の身を守る、のみならず、ワクチン接種をすることによってほかの人の身も守ることができる(集団予防効果)ことを考えて、ワクチン接種に臨んでいただければと思います。

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