コラム
F1 ブラジルGP決勝
本日は連休明けの初日。受診される患者さんの数も多く、インフルエンザが確かに流行していることを感じています。
さて、表題のF1ブラジルGP決勝。リアタイしてしまいました(笑)。
惜しかったなー、途中まで3番手で粘ってたのに。。。
タイヤ交換せずに粘っていたら、表彰台は狙えたでしょう。それでなくても角田選手の粘りは素晴らしかったと思います。
VSC(Virtual Safety Car)が入り、タイヤ交換をいつするのか?そもそも交換するのか?そうこうしているうちに、あぁ、雨がひどくなってきたー!タイヤをインターにするのかフルウェットタイヤにするのか?あの瞬間の一人一人の選択には本当に興奮させられました。
タイヤ交換をしなかったオコン、フェルスタッペン、ガスリーはその後のレッドフラッグで棚ボタの表彰台を(フェルスタッペンはそうでなくても勝てた気はしたけど)ゲットしたわけですが、あの時にフルウェットタイヤを選択したペレス、ローソン、角田くんはひどくなった雨の中レベチなスピードを誇っていましたというのも束の間、レッドフラッグでレース中断。。。
中断中のVCARBのピットではチームの重鎮たちが角田くんを慰める姿が目につきました。あの後、スタートでバタバタした感はあったものの大きく順位を下げることなくレースを7位で終えた角田くんは本当に称賛に値すると思いました。
さて、このレースでは角田くんにとって大きく2つのポイントが状況を左右したと思います。
1つはフルウェットタイヤに交換する必要があったのか?
これまでにもフルウェットタイヤが必要になるようなヘビーウェットな状況になったレースがいくつかありました。そのすべてがフルウェットタイヤが必要になった時点でレッドフラッグ中断となっています。つまり、フルウェットタイヤはヘビーウェットではインターと比較してもかなり速いにもかかわらず、そのような状況ではクルマが巻き上げる水によって視界が悪くなりすぎてレースが続かないし、雨がやんできたらフルウェットタイヤはすぐにダメになってしまうので、使い道がないということになります。
フルウェットタイヤは予選専用タイヤなんだなという印象です。予選だと前車との間隔があいているので使えるのです。今回も朝からの予選でフルウェットタイヤが活躍していました。
今後、レース中にフルウェットタイヤに交換しよう!と思ったらそのままステイアウトが正解なのではないかと思いました。大きい声では言えませんが、あの瞬間フルウェットタイヤを履いていたのがラッセルやハミルトンだったら赤旗が出るまでにあと1周くらいは走らせていたかもしれませんね。1周当たり10秒近く違ったようなので、あの瞬間の状況からすると、前のツルツルインターを履いていた選手たちをパスするのは容易だったはずです。正直に言ってF1はヨーロッパのスポーツで、ヨーロッパ人に有利になるような裁定が下ることが多い気がします(個人の感想であり、角田くんはそんな中でも多くの人から愛される、これまでの日本人レーサーとは違う才能を持っていることは間違いないと思う)。
2つ目は、ピアストリに抜かれた後の粘りです。
赤旗中断からの再開後、前を行くピアストリは10秒ペナルティが確定していました。角田くんはさすがにピアストリについていくことはできませんでした。徐々に離されていき、残り10周の時点で6.5秒差でした。1周当たり0.5秒以上の差がそこまではずっとあったので、VCARBのタイヤに厳しいマシンでは最終的にピアストリ選手に10秒以上差を開けられるのではないかと思いました。
しかし!
そこからはピアストリ選手とそん色ないタイムをコンスタントに刻んでいき、最終的に7秒差でフィニッシュ!ピアストリ選手をまくって7位に入賞することができました。
今回は、アルピーヌの二人がダブル表彰台というとんでもない下剋上をやってのけましたが、中継で一番映っていたのは角田くんだったし、レース終了後の論調でも、あそこでレースを中断しなければ皆が大興奮となるようなすごいレースが見れたかもしれないという、角田くんに好意的な意見が多かったです。
あと2戦、少しでも上に行けるように頑張ってほしいなと思っています。