コラム

ウクライナ支援チャリティーイベント
去る3月31日、ベネックス長崎ブリックホールで「ウクライナ支援チャリティーイベント」が開催されました。
ウクライナ出身で将来を嘱望される若手女性指揮者であるオクサーナ・リーニフさんを迎えて、東京からきた友好音楽祭オーケストラのメンバーと長崎の音楽家が一堂に会してコンサートのようなものを開催しました。
「コンサートのようなもの」と書いたのは、実際に行われたのはコンサートではないからです。今回は約500名のお客様に足を運んでいただきましたが、副題として「音楽があなたの耳に届くまで」とあります。
様々な制約があり、コンサートを開催することができなくなったため、「リハーサル」を行ってその様子を無料で開放し、来場された皆様から「ご寄付」をいただくという趣旨で開催されたのでした。みなさまからの寄付はリーニフさんが主宰する「ウクライナ青少年交響楽団」の活動資金として使われることになっています。
皆さまもご存じの通り、現在ウクライナはロシアと戦争状態にあります。その中で若い音楽家たちも戦争に駆り出されたりしてなかなか音楽活動を継続することが困難になっています。
そのような状況を憂慮したリーニフさんは青少年交響楽団を組織し、その中でウクライナの若い音楽家の支援を続けておられるそうです。その支援の一環として今回のイベントが開催されたわけです。
リーニフさんは将来を嘱望されると書きましたが、最近ではウィーンフィルやベルリンフィルを指揮したり、今度東京で蝶々夫人全幕を演奏されるという素晴らしい指揮者です。
有名になる前に一度長崎を訪れたことがあり、蝶々夫人の舞台となった長崎の街に感激したというエピソードがあり、長崎と少しだけですが縁のある方だったのです。
私も実は楽器を演奏する者でありまして、今回は微力ながらビオラを弾かせていただきました。実際の練習時間が2時間ちょっとしかない今回のイベント。お客さんが入る直前から元NHK交響楽団のオーボエ奏者で、現在は指揮者としてもご高名な茂木大輔さんにトレーニングしていただきました。
実はわたくしは学生時代に茂木先生の指揮するオーケストラにエキストラでお手伝いをさせていただいたことがございます。そのときはまだ茂木先生も指揮者としては駆け出しの頃で、まだまだこれから!という感じがしていたものでした。
最近では九州交響楽団なども指揮されている茂木先生、あのころからどうなってるんだろう?と思ってたらこんな動画を見つけました。動画の中で茂木先生はなんと!東京音楽大学の指揮科に通って指揮の勉強をされてたというお話でした。いろいろな人との出会いがあり、紆余曲折あり、大学に通いなおして指揮者としてまた素晴らしい棒を振られている茂木先生には尊敬の念しか感じませんでした。実際久しぶりに見た茂木先生の指揮はあの時からは想像もできないような素敵なタクトに昇華していました。こんな指揮で演奏出来たら幸せだなぁと思いながら演奏していたのでした。
終了後の懇親会でも茂木先生とお話しする機会があり、当時のお話から指揮科に通って大変だったお話なども拝聴できて本当に幸せな時間を過ごすことができました。
茂木さんってお話がすごいうまくて引き込まれるんですよね。
KTNでもニュースになっていました。「音楽があなたの耳に届くまで」ということで、基本的にはリハーサルの模様をお客さんに見てもらうというイベントだったわけですが、最後には40分かけて1曲通すことになりました。リーニフさんの笑顔とともに紡ぎだされる音楽はとても素敵で楽しいものでした。
もしよかったら長崎でもコンサートは開催されています。アマチュアだと、長崎交響楽団、諫早交響楽団、佐世保市民管弦楽団。プロだと編成は小さいですが、長崎OMURA室内合奏団というのもあります。全部合わせると年間10回くらいはコンサートが開催されています。みなさまもお時間があればいかがですか?